自己破産とは?

            

自己破産とは?

自己破産とは

自分では返済することが出来ないほどの多額の借金を、必要最低限の生活品を除いた全ての財産と引き換えに、債権者(貸金業者など)にその債権額に応じて公平に返済する手続きのことを破産といいます。

破産の申し立ては債権者からだけでなく、自ら申し立てることも出来ます。
これを自己破産といいます。
自己破産をする場合には、支払い能力がない人。ということが第一の条件です。
返済に充てられるほどの高価な財産や収入がある場合には自己破産の申し立ては出来ません。

自己破産と聞くと、債権が全て免除されるとイメージしがちですが、実際は違います。
免責(債権の免除)を求める場合には、自己破産の手続きだけでなく、免責の手続きも申し立てなければなりません。
免責が決定されると、全ての債務が帳消しになり、自己破産時に受けていた資格制限や職業制限もなくなります。
また、一度免責が決定するとその後10年間程度は再度免責を受けることは不可能です。
 

同時廃止について

破産手続きは、破産宣告して破産手続きを開始し、破産管財人を任命して破産者の財産状況を調査し、財産があるときはこれを回収し、その結果、得た破産者の財産を、債権者に分配することで終了し、この場合は、破産手続きの「終結」と言います。

債務者の財産が少なくて破産手続きの費用すら用意できない場合、破産手続きを進める意味がありません。この場合は破産手続開始決定と同時に、破産管財人を選任することなく、破産手続きを終結してしまいます。これを『同時破産廃止(同時廃止)』と言います。

同時廃止の場合、破産者の財産は一切換価処分されることなく、その後、新たに取得した財産については破産者自らが、自由に処分しても構わないことになり、居住制限もなくなります。ただし、債務者が破産者になるのですから、公私の資格制限はあります。

ま た、破産手続開始決定後に破産管財人が選任され、現実に破産手続きが開始されはしたが、換価できるような財産が少なくて破産手続き費用も出せないと認めら れるときには、破産管財人が申立てるか、又は、裁判所の職権で破産廃止決定がされて、破産手続きを中止します。これを『異時破産廃止(異時廃止)』といい ます。

同時廃止手続のメリットは、管財人報酬が不必要なことと手続きが早いことです。
デメリットは、個々の訴訟や差し押さえ等を止めることが、宣告と同時に破産手続きが終了してしまうためにできません。免責の確定までに、差押を受けるなどの可能性が残ってしまいます。

これに対し、異時廃止では廃止決定と免責決定が同時になされますので、そのような心配はありません。ただし、異時廃止は、管財人への報酬は必要になりますし、免責、廃止決定まで時間がかかりますので、破産者としての制限を受ける時間が長くなるというデメリットもあります。
 


 

免責について

破産宣告が下されたからといって借金がなくなる訳ではありません。破産宣告決定後に免責の申立して免責決定を受けて初めて支払義務がなくなります。ですから、自己破産をする場合の目的は、免責決定を受ける事にあります。ただし、免責申立をした人の全員が、免責決定されるわけではありません。

免責不許可事由というものがあり、これに該当する行為があった場合は免責決定がされないことが多々あります。免責不許可事由について、主なものは下記のとおりです。参考にしてください。免責不許可事由に該当すると、絶対に自己破産の免責がおりないというわけではありません。免責許可か、不許可は、免責不許可事由の有無を含めて、自己破産を申立てる方の様々な事情を勘案して、裁判官が決定します。

<免責不許可事由(破産法第252条)>

  • 債権者を害する目的で、財産の処分や隠蔽、財産の価値を下げる行為をした場合。
  • 破産手続きの開始を遅らせることを目的として、著しく不利益な条件で債務を負担、信用取引によって商品を購入して、その商品を著しく不利益な条件で処分したような場合。
  • 特定の債権者に対してのみ、債務の返済を行ったような場合。
  • 浪費やギャンブルなどで、借金をつくった場合。
  • 詐術を用いて信用取引によって、借り入れをしたような場合。
  • 業務や財産に関する帳簿、書類などを隠したり、偽造したり、変造したような場合。
  • 自己破産の申立てに際して、虚偽の債権者名簿(債権者一覧表)を提出した場合。
  • 自己破産の手続において、裁判所に求められた説明をしなかったり、虚偽の説明を行った場合。
  • 自己破産の申立てをして免責が許可されてから、7年以内に再度自己破産の申立てを行った場合。
  • 民事再生の申立てをして、認可されてから7年以内に自己破産の申立てを行った場合。